えつよの本棚

読んだ本から感じたことを自由に綴ります。

「坂口恭平 躁鬱日記」坂口恭平

坂口恭平 躁鬱日記」坂口恭平

(2013、医学書院)

 

坂口恭平 躁鬱日記 (シリーズ ケアをひらく)


坂口恭平さんが気になる】
最近、坂口恭平さんがすごく気になるし好きだ。
最初はTwitterで見つけて、彼の在りようにどんどん惹かれていった。
坂口さんは、「〜をやってる人」と一言ではいえない人だ。
文章を書く。絵を描く。歌を歌う。セーターを編む。自分の携帯電話番号を公開して、「いのっちの電話」をやる。「いのっちの電話」は、死にたくて辛くて仕方ない人たちが坂口さんに電話をかけて話をするというものだ。(死にたくなくても辛くなくてもかけてもいいのかな。坂口さんとお話してみたい。)お金はかからない。坂口さんは、日本の自殺者をゼロにすることを本気で考えている。
他にもなんかすごい色々やってる人なのだが、このくらいにしておく。

 

 

【躁鬱と編み物】

それで、坂口さんは躁鬱病(今は双極性障害と呼ぶらしい)なんだそうだ。その日々を記録したのが、この本である。

ちなみに、この本は数年前のもので、現在の坂口さんは鬱の症状が全く現れなくなったそうだ。
なんと、編み物を始めたら鬱がやってこなくなり、病院も薬もやめたそうだ。すごい。
たぶん、編み物って熱中すると瞑想状態になるから、無になって、心身のバランスが整うのではないかと思う。
私も、長い散歩や、最近描いてないけど点描で曼荼羅描くとか、そういうことをすると余計なものが削ぎ落とされてスッキリする感じがあるので、編み物もそういう感じなのでは。

その、躁鬱時代の坂口さんの日記。躁状態の時はとにかくアイデアがバンバン出てくるし、アウトプットしまくり。テンションも高い。めちゃめちゃ前向きで陽気。
しかし、月に一度、一週間ほど鬱がやってくる。その間は何も手に付かず、寝込み、自分を否定し続ける。

 

【躁鬱、生理、デトックス。】

…たった今思ったのだけど、これって女性の生理みたいではないか。月に一度、一週間ほどブルーになる。
個人差はあるが、生理中やその前後は、使い物にならないことが多い。デトックス中だから、普段とは違う心身の状態なのだ。
生理が終わると女性はキラキラと輝き出す。肌ツヤは良くなり、ご機嫌になる。

そうか、鬱はデトックスか。そうなんじゃないかとは思ってたが。
私は躁鬱ではないが鬱病のような状態を長期間経験したことがある。
でも鬱が明けた後、寝込んでた日々が嘘のように活動的になり、北海道から東京にウキウキと移住までした。

 

【男も女も、Let's躁鬱、デトックス。】

「躁鬱日記」を読んで、「ほんとうは誰しも躁鬱なんじゃないかな。程度やタイプは人それぞれあっても。」と思った。そのことをここに書こうとした。
書きながら、それ以上の新しい発見があった。
鬱はデトックス、生理。生理と躁鬱は似てる。
女性は毎月、自動的にそれをやっているが、男性はどうやってデトックスしているのか?
坂口さんのように、必要になればデトックスシステムが作動し鬱になるのか?
そのシステムが錆びてしまって、作動しなくなっていたら…?
恐ろしい。だけど、みんな錆びがちなのでは…?

堂々と鬱になろう。引きこもろう。
バランス、バランス。

 

坂口恭平さんのTwitter→@zhtsss